2014年11月16日日曜日

ヒップだ!



「ヒップな生活革命」著者、佐久間裕美子さんが北書店にやってきた。



















昨夜の様子 
撮影:亀貝太治-カメガイアートデザイン(サンクス!)


会場設営中、店に到着するなり握手してきた佐久間さんを一瞬で好きになった。
昔からの友達と久々に会ったような感じだ(73年生まれの同い年!)

アイデアインクシリーズ編集者の綾女氏と3人で打ち合わせる。「ふらっと立ち寄った
新潟の本屋の店主とつい長話しちゃった、みたいな感じになっちゃうと思うんで
佐久間さんひとりでトークされたほうがいいんじゃない?」と提案したが「長話いいんじゃない?」
ということで、結局一緒にトークすることになった。この数分の喫茶店トークが
思い出話に花咲かす、といった風で短いながらもとても楽しかった


今回のイベントを確信犯的(?)に仕立て上げた(前回のブログ参照)O君と、K君の
二人からなる“丘サードウェイブコーヒー”(綾女氏命名)の「SDコーヒー」出張スタンドに
長蛇の列が出来、開始を若干遅らせる。その間イベント告知やらの前説大会。

あ、コーヒーメチャ美味かったよSDさん!

佐久間さん登場、本の内容と本屋である自分の日頃のボヤキ(というかガス抜き)が
リンクしちゃうのでついついそういう本屋厳しい系の話題に流れてしまう。自分としては
「ヒップ」という現象がネットの普及と足並みを合わせているのであれば、佐久間さんが見てきた、
そして普段使いする“向こうの”本屋さんはどんな感じなのかが気になるのだった。

立地は?店構えは?客層は?そもそも新刊書店?たとえば「きょうの料理」のテキストを
買いにくるオバチャンにあてはまる層はそういうお店にも来るの?とか。やだやだしつこくて。
お話によると雑誌を本屋で買うって向こうじゃ日本ほどではないみたい。自分の住む街から
一時は本屋もぼこぼこと消えていって、それはやっぱり不便だった。この10年くらいで小さくても
個性あるお店がポツリポツリと現れ、一度なくなってしまったことを経過しているのでそういう
お店を支えていこうという土壌があるようだと。そうか・・それで立地は?・・(以下略)

★★★★★★★

休憩時、SDコーヒー再び繁盛。佐久間さんと外で一服。
銘柄、“アメリカンスピリット”


後半戦は質問・意見交換タイム。新潟なりのヒップな生活革命の可能性。たとえば
隆盛を極める郊外大型店と個人店との使い分け。この地に住んでいたら逃れられない
お題だ。まさに今回の立役者、SDのO君、というかオガワ君(笑)が

「俺は北書店も好きだけどイオンも大好き。職場から近いしいつでも開いてるし
居心地良いし。個人のお店を支持する反対でおっきな店を批判するとかは嫌い。
イオン好きでなにがいけねんだ」と。ここでもかましたねオガ君!


個人で店を経営して、ときにこうしたトークイベントを行なうと、外からはそういうメッセージを
発していると捉えられがちだ。だけどでっかいお店が超然と立ちはだかっているからこそ
北書店みたいな個人店なりの良さにも気がつくことってあるよね?と、自分としては
それくらいの気持ちでいる。どっちかだけじゃダメなんだよなあ・・という自分なりの意見を
プロレスなど(などっていうかプロレス)を例にちょっと説明した。

お客さんの中、最後列にとりわけ目立つ、正ちゃん帽(でいいのか)かぶったおじさん
その名は岡本仁!9月のトークイベント以来の北書店登場だ。金沢に行かれた流れで
東京へは戻らずに、このイベントに参加するべく立ち寄ってくださった。最後に締めてくれる。
曰く、

「大きな力に立ち向かう個人や店が全国のそこかしこで見られる、という現象を素直に
頼もしく思う」と。「自分はそういう風にこの本を読んだ」と。


★★★★★★★


打ち上げは北酒場を久しぶりに開いた。近所の美味しいお店もいいけれど、今夜は
佐久間さんに北酒場を体験してほしかった。新潟ヒップ空間ど真ん中のつもり。

スーツ姿で仕事帰りに参加してくださった方は初来店。東京から来てくださった方も。
アメリカに住んでいて、もしかしたら佐久間さんと向こうで会っていた?という女性は
新潟に戻ってきて、この地で自分の仕事をはじめたところだそうだ。いつもの顔ぶれに
加えて、そうした方達も交えて佐久間さんを囲む。北酒場恒例の、中締め2~3分トークで
皆にマイクをまわす。SDの二人の佐久間さんフリークぶりに感心しつつ、北書店常連組の
頼もしさにしみじみとしつつ。

そして北酒場で酒を飲むお姿が超新鮮な(笑)岡本さんに、またも締めのマイクを渡す。

「ボクは献本は読まない。消費はリスペクトの意味もこめて、佐久間さんの本はもちろん
買うつもりでいたのだけど献本が来ちゃった笑。買いなおしてもいいけどたまたまツイートで
佐久間さんが新潟に来ると知って、ならばリスペクトの姿勢をこのイベントに参加することで
示そうと思った」
佐久間さんの目頭が赤くなる。そんなこんなで北酒場の夜も更ける。


★★★★★★★


佐久間裕美子さんの「ヒップな生活革命」刊行記念トークツアー最終日は新潟。
偶然が偶然を呼び込んでの追加講演決定!といったドライブ感はそのままに、盛況のうちに
昨夜終了しました。佐久間さん、アイデアインク綾女さん、SDコーヒーのおふたり、そして
参加くださった皆様ありがとうございました。前日夜から当日にかけての駆け込み参加が
過去最高といった感じで、ふたを開ければ超満員御礼でした。ヒップとはなにか、よくわからない
けど、新潟なりのヒップを佐久間さんに体験してもらいたいと、前回のブログに書きましたが
そのお姿、語り口やお人柄に新潟勢、皆すっかり参っちゃったって感じでしたね。個人のお店と
お客さんたちとの関係が、時にこんな一夜に繋がって、これがヒップな一現象だとしたときに
思うのは、まあ毎回そうだけど、いい本を仕入れ、いい棚をつくるのだ。ということですね。
長くなりましたがこのへんで。あ、アイデアインク版元の朝日出版社さん、出版社も交えての
こうしたイベントっていうのはこのご時勢大変珍しいと思いますです。あなた方も最高にヒップだ!


★★★★★★★


岡本仁さんは、実はイベント前夜にひっそりと新潟入りしていて、“今日の買い物新潟編”
続行中!とばかりに、またもあらたなお店を開拓しておられた。そしてその晩食べたという
ラーメンをインスタグラムにあげていて、北酒場もそろそろお開き?というタイミングでその
話題になった。オガ君だったかが、その店に「行こう」と言い出した。いいじゃないか!
タクシー分乗して目的地に到着。佐久間さん含め総勢6名が夜中の3時にラーメンをすする。
隣に座る佐久間さんがこっちも見ずに、ラーメンに集中しつつも私にむかってつぶやいた。


「だいたいいまどき自分で本屋経営してるなんて、それだけで仲間だよ」


そういったのを、私は私で佐久間さんのほうを見ずにラーメンをすすりながら聞いた。




















本が完売しちゃたので店の壁にサインもらっちゃった
「かまシスト」それはつまり、なにかにつけて“かまそう”とするやつのこと。