2014年4月17日木曜日

本屋と旅について。


毎度ながらご無沙汰しております。1月以来の更新となりましたがこの間、
2月は毎年恒例、アノニマスタジオ主催のBOOK MARKETに出店。
アノニマの前日夜には、昨年11月に北書店で開催した内沼晋太郎さん、
石橋毅史さんとの鼎談の続編ということで、今度は内沼さんと二人でのトークを
下北沢の本屋B&Bでさせていただきました。このトークの様子は内沼さんの運営するサイト、
「DOT PLACE」さんで『街の本屋の逆襲』と題して5回に渡って掲載されておりますので
ぜひともご覧下さい。

滞在中、東京は大雪だったんだけど、結局この冬まともな積雪を見たのはこの2日間だけ
だったなあ。ほとんど雪の降らない新潟の冬っていうのはいつ以来だろう・・

新潟へ戻って1週間後には、新潟日報メディアシップ1階の広場にて
『真冬の一箱古本市』を開催したりなんかしているうちに2月はあっという間に過ぎ去り、
3月は1年分の申告系の事務処理総ざらいといった感じで大変。大変になるとお店の
レイアウト変更をしたくなるという奇癖があり、そんなこんなの準備もしつつ気がついたら
もう春だ。花見もしないうちに桜は散ってしまいそうだ。古巣の北光社跡に出来た食品館は
先月、1年持たずに姿を消してしまった。


まったくきびしいねえ・・


北書店の開店した2010年4月12日は雨風の悪天候で、今なら絶対やらないが
強力なビル風を計算に入れずに店先に出した開店祝いのおっきな花が
バッタバッタとまあ倒れる倒れる。まるでこれから先の運命を暗示しているかのようじゃ
ねえかと、開店初日から暗い気持ちになりもしたけれど、多くの皆様のおかげでなんとか
生き延び、先週末で丸4年。まだまだこれから・・のはず。自分的に。5年目に突入した
北書店もどうぞよろしくお願いいたします。


というわけで4周年企画のお知らせです。来週の木曜、4月24日の夜19:30より
トークイベントを一席。純粋なトークイベントは久しぶりです。今年初。

今回のゲストは、「博報堂ケトル」の嶋浩一郎さん!雑誌「ケトル」の編集長であり、
内沼晋太郎さんとともにB&Bの経営もされています。なんというか・・みなさん多才ですね。

毎号ワンテーマで特集を組むカルチャー誌、ケトルの最新号はズバリ、
『“また”本屋特集』。3年前のちょうど今頃発売になった、同誌創刊準備号が
本屋特集だったので、そういう意味もあるでしょうし、この数ヶ月(或いは数年?)
かなりの頻度で各誌こぞって本屋特集をすることへの自虐的ユーモアでもあるでしょう。
まあ何度出たっていいじゃないですか。なんだかんだ、他の特集よりも目を通したりして。
そして本屋の特集を売る場所もやはり本屋ですから、わりと長期の販売をされるお店も
多いはず。返品率から見てもおそらく優秀だからこれだけ刊行されるんでしょうね。
売れなければ各社がそんなに出すはずない。






ケトル VOL.18

4/15発売 
¥972 (太田出版)


本日入荷!











で、ケトルの本屋特集ですが、『旅に出たら本屋に行くのが大好き!』ということで
各地方の本屋さんプラス、そのお店へ行ったからにはここもぜひ、というその土地の
オススメスポットもあわせてご紹介。北書店も掲載いただきました。今回そんなご縁もあり
実現したトークイベントとなります。内沼さんに続いて、嶋さんともトークが出来るとは
思いませんでした。本屋さんでの嶋さんのトークって結構珍しくないですか?
これはおすすめですよ!



北書店4周年・「ケトル」本屋特集刊行記念トークショー


“旅に出たら、本屋に行こう!”


北書店 佐藤雄一✕ 「ケトル」編集長 嶋浩一郎 


4月24日(木)
19:30~(19:00開場)

会場:北書店
新潟市中央区医学町通2-10-1
(新潟市役所正面のダイアパレス1階)

お申し込み:北書店店頭・電話・メールにて受付中
025-201-7466 
sato@kitashoten.net

以下、ケトルで北書店を取材してくださった編集者氏によるテキストです。


★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


みなさん、本屋さんは好きですか?

旅にでたら、ぶらりと立ち寄った本屋で
偶然出会った本を買う。
旅先で地元の本屋さんで選んだ本を開く瞬間は、
本好きな人にとって格別です。

そんな想いから作られたのが
4月15日に発売されたカルチャー雑誌「ケトル」の
「旅に出たら本屋に行くのが大好き!」特集。
全国各地にある魅力的な本屋さんと
その本屋に訪れた時に立ち寄って欲しい3箇所の場所を紹介した
本屋好きな人にぜひ読んで欲しい一冊です。

旅先で訪れる本屋さんは、なぜこんなにステキなんでしょうか?
地元と密着したユニークな棚作りや独自の本のセレクト、
さらに大型書店とはひと味違う、お客さんとの関わり方。

そんな旅先で訪れる本屋さんの魅力について、
北書店の佐藤店長と、全国の本屋巡りが大好きで、
自身も下北沢で書店「B&B」を経営する博報堂ケトルの嶋浩一郎が語ります。
本が好きな人、本屋さんが好きな人、旅が好きな人、
ぜひ、お越しください!



嶋浩一郎(しま こういちろう)

博報堂ケトル共同CEO・編集者
クリエイティブディレクター。
68年生まれ。
93年博報堂入社
コーポレート・コミュニケーション局配属。
その後、朝日新聞「セブン」や「広告」などを
手がけたり、2002年には「本屋大賞」を企画。
2005年に博報堂ケトルを設立。そのほか、
ネットニュース「赤坂経済新聞」、
カルチャー誌「ケトル」の編集長でもある。
ビールとトリビアが大好き。




★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★



博報堂ケトルでの企画や編集術など、あらゆる場面でお話されることが多いでしょうから、
今回はやはり「B&B」というお店を経営してみて嶋さんが感じたことなども聞いてみたいと
思います。

はい。ここで嶋さんのプロフィールにご注目。
嶋さんといえば「トリビア」。
「しまこういちろう」さんのツイッター、私も大好きです。


たとえば昨年11月、「本の逆襲」(朝日出版社)を上梓されて以降、全国の本屋さんを
精力的に巡回しながら獅子奮迅・八面六臂の活躍を見せている、B&Bの共同経営者
内沼晋太郎さんが今年の2月、このブログ冒頭で触れた私とのトークイベントの
告知がきっかけで、ツイッター上で“街の本屋論争”になったときでも、そこに加わる様子は
微塵もなく・・


・パパブッシュの好き嫌いについて

・城南電気宮路社長とテリー伊藤の綱引きについて

・ペン回しにおけるタイの天才プレイヤーについて

・まあまあよく消せる筋肉マン消しゴムについて

・ローマ皇帝のドミティアヌスの暴君ぶりとその悲哀について




なんてことを淡々とツイートされています。なんだろう・・この不思議な魅力。
こういうひとの本屋論、ぜひとも深く突っ込んでみたいなあ。興味津々。

嶋さんの著書、「なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか」(祥伝社)、巻末には
日本全国の個性的な本屋さんについての内沼さんとの対談が収録されていてこれも面白い。

神保町交差点の廣文館という本屋さんに入ったとき、私は正直、他の錚々たる有名書店が
林立する街の中で、その魅力に気がつけなかったんですが、嶋さんによれば・・

“あ、自分に酔う話、神保町交差点の廣文館っていうのもあったな。雑誌とかは、ここで買うと
トキメくんだよね。なぜかというと、立地的に最も本の街・神保町交差点に面しているから。
廣文館で『週刊プレイボーイ』や『DIME』を買える喜びは、出版社や取次のある神保町
ならではの体験。まるで産地直送の野菜を買うような感覚になれる(笑)”


こんなお話を聞きだしていたら、おそらく何時間あっても足りないだろうな。
参加される皆様、この日はぜひ、嶋さんに新たな“新潟トリビア”を持ち帰っていただける
ような準備をしていらしてください。質疑応答を含め、そういう時間もなるべくたくさん
設けたいと思っています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。


さてさて、旅と本屋をテーマにしたケトル最新号は、最近リニューアルした北書店入り口付近で
ドーンと積んでおります。私自身、お店を持ったことでますます旅に出かけるなんてこととは
無縁の生活をしていますが、この場所から動かず、ありとあらゆるお客様に接してきた4年間は、
旅から旅の連続のような気もしています。

そんな旅もあるんじゃないかと。終わりはないですね、ということで。
長くなってごめんなさい。では来週木曜に。






















入口付近から撮影した北書店。
5年目はこんな感じでスタートしました。