「ブログ、いつも見てますよ。ああ、今日も更新してないって・・・」
どうもすいません!遠い空の下、ちっぽけな本屋を気にかけてくれてありがとう。
北光社から北書店へ。当然のことながら、販売力も実売数もささやかなものに
なっていきますが、それでもこうして以前と変わらぬお付き合いをしてくださる出版社
さんは、そう多くはないものです。そんな皆さんの存在に、どれほど励まされていることか。
告知が遅れましたが、フェアのご案内。今年も自信を持っておススメします。
アノニマスタジオ(ほぼ全点)ブックフェア。 (6月中旬迄)
アノニマスタジオの皆様、いつもありがとうございます。南さん、また来てね(笑)。
恒例の、「旅する灯台」もやってきました。こちらは北書店同様、昨年誕生した
2号目君です。白を基調とした1号から、がらりと変わってカラフルな色使いと、
既にして風格漂う緑の胴体が最高にカッコいい。いつまでも見ていたくなる。
というか欲しくなる。細部に至るまで、ぜひゆっくりと眺めていってください。
2年目の北書店も、照らしてくれよ灯台。
灯台の明かりの下、並べられた本たちを見て思うのは、新刊の点数が
増えているのに、作家さんの数はそれほど増えていないこと。同じ作家さんが、
また同じところから続編を出す。ということがこの出版社では多いような気がします。
それこそたいした販売力もない、ブログもめったに更新しない北書店への関わり方と
同様に、一緒に仕事をした作家さんとのご縁を大切にしながら、一冊一冊自分たちの
速度で本を作っているからなのでしょう。派手さはなくても、そんなある意味贅沢な
時間の経過が伝わってくるアノニマスタジオの本たち。毎年開催したいブックフェアです。
灯台に負けじと旅をしよう。「本」と「人」が主役の旅へ。
ここ新潟でも、新しい事が始まろうとしています。
「ニイガタブックライト」
昨年12月、年の瀬も押し迫ったある日、その人はやってきました。
「どうも、ナンダロウアヤシゲです。」
南陀楼綾繁。
「編集者」 「ライター」 「さまざまなブックイベントを手がける仕掛け人」
多様な顔を持つ方ですが、私の中では、
「本にまつわる怪しいところに、てくてくとやってくるオジサン。」
という感じでしょうか。ホントにひょっこりと、雪の中北書店へいらっしゃいました。
緊張する私をよそに店内をチェックした後、さすが!な数冊をサクッと購入。
「じゃあまた後ほど」と言い残し、雪の中へと消えていきました。
「ナンダロウさん、なんでまた北書店に?」 しばし考えましたが、
「多分あれだな。『北の方に怪しい本屋があるからちょっと行ってみようか』
と思ったんだな。」
というのが私の結論でした。一方その頃、南陀楼氏が、冬の新潟で何をして
いたのかは、こちらに詳しく載っています。
雲遊天下 VOL 105 (ビレッジプレス 525円)
最高に楽しい新潟紀行 [いつかどこかで ~旅は不器用~]
「この時間でここまでまわる?普通。」
と思わせる行動力と、ご本人の風貌とのミスマッチ(スイマセン。最大級のリスペクトを
こめて書かせてもらいます。)がたまらない。県外から新潟へいらっしゃるお客様はもちろん、
地元の皆さんにも読んでいただきたい。新潟ディープ観光ガイドとしてもおススメです。
この日の晩のことを本文より・・・
「・・・ 八時半に『人情横丁』という飲み屋街にある居酒屋へ。しばらく待つと、
北書店の佐藤さん、それに続いて、『まちの日々』の上田浩子さん、
『にいがた空艸舎』というイベントを主宰する亀貝太治さんがやって来た。
いずれも、新潟の街をすみずみまで知っている人たちだ。
明日歩けそうな場所を教えてもらい、こちらは例によって『新潟で一箱古本市』
をやったら面白いですよ」と焚きつける。新潟の地酒が際限なくお代わりされ、
気付いたら十二時を回っていた。」
この「ナンダロウ氏との一夜」以降、「新潟で一箱古本市開催」が、たびたび話題に
上りました。そうはいっても場所の問題やらなにやら。そんなにウマく話が進むものかと
思っていたある日のこと、常連のお客様(と書くと、なんだか他人行儀な感じがするほどの
常連のお客様。)のひと言が、大きな1歩を踏み出すきっかけとなりました。
「現代市(いまいち)は?」
北書店から歩いて数分の「学校町通り」。文字どおり学校がいくつもあるこの場所は、
住宅、商店が立ち並び、大通りからは1本外れた狭い道ながら、いや、だからこそ、
独自の空気の流れる心地よい町。自由に散策できる一方で、そこかしこに生活の匂い
漂う、実に懐の深い町。 その懐に飛び込みたい!
新潟で初の「一箱」をここでやりたいという気持ちは当然あって、しかし実際やると
すれば、まず誰に言ったらいいの?許可って必要なの?だとしたらドコに?
というか俺たちって何?
で、「現代市」。学校町通りを使って開催される、フリーマーケットや屋台の出る
イベントで、この日はたくさんの人出で賑わうこと。その歴史は平成一桁の年に遡り、
今年で27回目を数えるということ。その存在をお客様から聞かされた時、ほんの少し、
可能性が開けたような気がしました。とはいえ、なんの実績も持たない私たちを
受けいれてくれるかは全くわからない。とにかく聞くだけ聞いてみよう。打診したのは
私ではなく、ニイガタブックライト広報の(広報といっても別に任命した訳じゃない、
率先して動いてくれるから自然とそうなっていった訳で、感謝!)亀貝氏。結果は・・・
来たる6月12日の日曜日、午前10時から午後3時まで、新潟市中央区学校町通
にて行なわれる「現代市」会場にて、ニイガタブックライト vol1「一箱古本市」 開催です。
5月に入ってまもなく、出店者募集を開始。当初、「30~40人くらいは来てもらいたいね。」
と話していた一日限りの「古本屋さん店主」の数は、現時点で80人を超えました。
たくさんのお申込み、本当にありがとうございました。
開催が無事に決まり、公式HP、店主募集のチラシ等、準備を進めていく中で、取材を
していただく機会を得ました。
「『ニイガタブックライト』って何ですか?」
「『一箱古本市』を開催する動機はなんでしょう?」
当然の質問なのですが、うまく答えられない自分がいることもまた事実。
これまでの経緯を振り返ると、順調に事が進んできたその裏側には、ほんの少しずつの
偶然の連鎖があるようです。
寒い中、北書店を尋ねてきてくれた南陀楼さん。
その南陀楼氏の、北書店来店をアシストしてくださったのは、この日記の冒頭に紹介
させていただいた「アノニマスタジオ」の設立者で、現在は「信陽堂編集室」として紙の
本の美しさを追求し続ける、丹治史彦さんだったりします。お二方とも今回、一箱出店です。
開催へ向け、何度となく打ち合わせと称した飲み会を、閉店後の北書店で開き(北酒場という)、
そのたび酒やつまみを持ってやってくる物好きな(これも最大級のリスペクトをこめた表現)人々。
本屋を舞台に、半ば妄想の与太話が、現実へと変わっていく気配・・・我々に、「現代市」という
選択肢が出来たのは、毎週のように立ち寄ってくださるお客様とのいつもの会話からでした。
そしてなんといっても「現代市実行委員」の方々、何者ともわからぬ私たちを快く受け入れて
くださったばかりか、なにかとこちらのお願いにも親切に対応していただいて、私はこのことに
大変感激しました。学校町は、やはりそこに暮らす人々も含めて懐が深かった。実行委員の
皆様、ほんとうにありがとうございます。皆様のおかげで、新潟初の一箱古本市は、わたしたち
「ニイガタブックライト」が考えうる最高のかたちで開催できそうです。
以上のような、さまざまな人たちとの関わりが「本を売る日々」を通して、いつの間にやら
出来ていた。そのことに、ふと思いめぐらすとき抱く感情。私にとっての「ニイガタブックライト」は、
どうやらカタチのあるものではないようです。わかりづらくて恐縮ですが。
最後になりましたが、ご応募いただいた皆様、もうそろそろ「店主マニュアル」がお手元に行くかと思います。6月12日、皆様にとって、最高に楽しい1日となりますように!
それから梅雨前線!頼むよ(笑)
※予告編
ニイガタブックライト関連で、もうひとつ驚愕のお知らせが。当ブログにて近日更新。
乞うご期待!